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6枚目の写真の補正

  

6枚目の写真の補正

それでは、6枚目の写真の補正に移ります。 6枚目の写真も補正後すぐにはRAW現像しません。

以下に6枚目の写真を再掲載します。 なお、この写真はカメラが出力した撮って出しJPEG画像です。

6枚目(samplephoto6.orf) - 被写体が近いため歪曲している -画像を拡大する
6枚目(samplephoto6.orf) - 被写体が近いため歪曲している -

被写体の桐の箱が近いため歪曲しています。

6枚目の写真を編集対象として選択する

現在、5枚目の写真が編集対象として選択されています。 編集対象を6枚目へ切り替えましょう。

1. フィルムストリップの6枚目の写真をクリックする
1. フィルムストリップの6枚目の写真をクリックする

上図のようにウィンドウ下部のフィルムストリップの6枚目の写真をクリックします。

2. 6枚目の写真に切り替わる
2. 6枚目の写真に切り替わる

上図のように6枚目の写真に切り替わります。

ホットピクセルの補正

まずは、ホットピクセルの補正からです。

1. ホットピクセルの心配はなさそう
1. ホットピクセルの心配はなさそう

上図のようにホットピクセルの心配はなさそうです。 夜間に撮影したとはいえ、ISO感度は400ですのでホットピクセルを探すことまではしません

ホワイトバランスの補正

続いてはホワイトバランスの補正です。 色かぶりがあれば補正します。

1. ホワイトバランスは補正しない
1. ホワイトバランスは補正しない

上図のようにホワイトバランスの補正は必要なさそうです。 何もせずに次の補正に進みます

明るさの補正

次は明るさの補正です。

1. 明るさの補正は行わない
1. 明るさの補正は行わない

上図のようにやや暗い感じもしますが、室内で夜間に撮影したものなのでこれで良しとします。 明るさの補正は行いません

高感度ノイズ低減

高感度ノイズがあれば補正しますが、ISO 400で撮影した写真なので大丈夫でしょう。

1. 高感度ノイズの心配もない
1. 高感度ノイズの心配もない

上図のように高感度ノイズの心配はありません。 補正は行いません。

細かな色の補正

パープルフリンジや霞(かすみ)・コントラスト不足・彩度不足があれば補正します。 室内での撮影なのでパープルフリンジも霞もないでしょうけど

1. 細かな色の補正は行わない
1. 細かな色の補正は行わない

上図のように色については何の問題もなさそうです。 補正はせずに次へ進みます。

レンズ/ジオメトリ補正

最後が、レンズ関連・ジオメトリ関連の補正です。 明らかに歪曲しているので補正が必要なことは確かです。

1. 歪曲している
1. 歪曲している

上図のように桐の箱が歪曲しているのがわかります。 また、周辺光量も低下しているように感じられます。 歪曲補正・周辺光量低下補正の両方が必要です

歪曲補正・周辺光量低下補正にはレンズ補正ツールを利用します。

2. テクニカルグループのレンズ補正ツールを有効にする
2. テクニカルグループのレンズ補正ツールを有効にする

上図のように(1)のテクニカルグループに切り替え、(2)のレンズ補正ツールを有効にします

3. 歪曲補正・周辺光量低下補正が行われる
3. 歪曲補正・周辺光量低下補正が行われる

上図のように歪曲補正と周辺光量低下補正が行われます。 桐の箱が真っ直ぐになり、周辺光量も回復しています

ではここで、レンズ補正ツールの詳細を見てみましょう。 レンズ補正ツールを展開してください。

4. レンズ補正ツールの設定項目群
4. レンズ補正ツールの設定項目群

上図のようにレンズ補正ツールにはいくつもの設定項目群があります。 重要なものについて以下で解説します

まず、(1)にはカメラおよびレンズの情報が表示されています。 RAWファイルに埋め込まれている情報から自動的に判別されたものです。 自動判別されない場合は、手動で一覧から選択する必要があります

(2)の補正では、何を補正するかを選択します。 歪曲・倍率色収差・周辺減光(周辺光量低下のこと)の組み合わせです。 利用者が選択します。

(3)の実行した補正には、補正された内容が表示されます。 利用者が指定する(2)の補正はあくまでも希望であり、実際に補正することができた内容を表示しているのが(3)の実行した補正です。 つまり、(2)は希望で(3)が結果です

(2)の補正と(3)の実行した補正が異なる場合もあります。 それは、使用したレンズの情報がdarktableに含まれていないことがあるためです。 また、含まれていたとしても歪曲補正・倍率色収差補正・周辺減光補正の3つのデータが揃っていないこともあります。 その場合には、(2)と(3)が異なる結果になります。

  
darktableに内蔵されているレンズ情報は、Lensfunで提供されているものです。 Lensfunから提供されるレンズ情報では、全てのレンズにおいて歪曲補正・倍率色収差補正・周辺減光補正の3つのデータが揃っているわけではありません。 レンズによっては、歪曲補正のデータはあるが周辺減光補正のデータはないということもあります。

Lensfunでレンズ情報が提供されているレンズの一覧および内容はLensfunのSupported Lensesで確認することができます。 意味は以下の通りです。

用語 意味
dist. Distortion : 歪曲補正
TCA Transverse chromatic aberration : 倍率色収差補正
vign. vignette : 周辺減光補正

ではここで、周辺光量低下のみ補正を行うように設定を変更してみましょう。

5. レンズ補正ツールの補正をクリックする
5. レンズ補正ツールの補正をクリックする

上図のようにレンズ補正ツールの補正の選択リストをクリックします。

6. 一覧から"周辺減光のみ"を選択する
6. 一覧から"周辺減光のみ"を選択する

上図のように一覧から "周辺減光のみ" を選択します。

7. 桐の箱が歪む
7. 桐の箱が歪む

上図のように桐の箱が歪みました。 周辺光量低下は補正されたままです。 このように、補正内容は利用者が自由に組み合わせることができます

では、全て補正する設定に戻しましょう。

8. 補正を "全て" に設定する
8. 補正を "全て" に設定する

上図のように補正に "全て" を設定します。

9. 歪曲補正・周辺光量低下補正が行われる
9. 歪曲補正・周辺光量低下補正が行われる

上図のように歪曲と周辺光量低下の補正が行われます。

  
  

まとめ

darktableでは、レンズ補正ツールを有効にするだけで歪曲補正・倍率色収差補正・周辺減光補正をかけることができます。 歪曲補正・倍率色収差補正・周辺減光補正のどれを有効にするかは利用者が選ぶことができます。

撮影したレンズの情報がdarktableのレンズ情報に含まれていない場合は補正をかけることはできません。 なお、全てのレンズで歪曲補正・倍率色収差補正・周辺減光補正の3つのデータが揃っているわけではありません。 レンズによっては、歪曲補正のデータはあるが倍率色収差補正と周辺減光補正のデータはないということもあります。

 
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